胃がん

胃がんとは

胃粘膜にできたがん細胞が増殖を繰り返して大きくなっていき、進行によって粘膜の外側まで広がって周囲の臓器やリンパ節に転移します。早期の胃がんには自覚症状がほとんどなく、症状で気付くほど進行するまでに数年かかることが多いと考えられています。リスクが上昇する40歳を超えたら症状がなくても定期的な検査を受けることで早期発見が可能であり、多くの胃がんでは早期発見と治療により完治も可能です。胃がんは分化型と未分化型に分けることができます。未分化型のスキルス胃がんは若い女性に発症が多く進行が早いため注意が必要です。また分化型でも大きくなると胃の外側に向かってがんが大きくなり、血液に乗ってがん細胞が他の臓器に転移してしまい完治が難しくなるため早期発見が重要となります。

簡単にできる胃がん症状チェック

ほとんど自覚症状がないのが胃がんの特徴ですが、下記のような症状があった患者さまに胃カメラ検査を行うと胃がんを認めることがあります。
以下の項目に1つも当てはまらない胃がんの患者さまも多く診察してきましたので、病院を受診していただくきっかけにしてください。

①みぞおち(心窩部)に痛みはありますか?
②胃が張ったような感じはありますか?
③胸やけ・胃もたれ・吐き気がありますか?
④下痢や便秘を繰り返していますか?
⑤真っ黒な便が出ますか?
⑥家族や友人に「最近、肌色が白いね」「黄色いね」など言われたことはありますか?
⑦貧血はありますか?
⑧おなかにしこりはありますか?
⑨全身だるいですか?
⑩食事量は変わっていないのに、体重は減っていますか?
⑪食欲が減りましたか?

あてはまった数
1-2個:胃がんの症状かは判断できません。他の病気の可能性もありますので、まずは病院で相談をしてください。
3-6個:胃がんの疑いがあります。病院での受診をお勧めします。
7-11個:胃がんの疑いがおおいにあります。すぐに病院の受診をお勧めします。

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原因

リスクを高める主な要因として、食生活、飲酒、喫煙、ピロリ菌感染があります。ピロリ菌は衛生状態が悪い場所では井戸水などを介して感染するとされており、先進国では少なくなっています。日本でも若い世代の感染者数は減少傾向にありますが、中高年を中心に現在も感染率が高い状態が続いています。ピロリ菌感染があると胃の炎症を繰り返し起こして進行し、萎縮性胃炎になる可能性が高くなります。萎縮性胃炎は胃がん発症リスクがとても高い状態ですが、ピロリ菌感染がある場合には除菌治療に成功すると炎症や潰瘍の再発を抑えることができます。ただし、除菌治療に成功してもリスクが下がるとはいえゼロになるわけではないので、定期的に内視鏡検査を受けて早期発見につなげることも重要です。

症状

早期胃がんは症状を起こさないことが多く、進行してもほとんど症状がないことも珍しくありません。また、症状が現れても炎症や潰瘍などで起こるものと同じですから、見逃されて進行させてしまい、転移した先に現れた症状ではじめて気付くケースもあります。また、胃炎や胃潰瘍を疑って受診して、検査で早期胃がんが発見されることもあります。下記のような症状があったら、早めに受診してください。

  • 胃やみぞおちの痛み・違和感
  • 飲み込みにくさ
  • 胸やけ
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 貧血

検査

上部消化管X線検査

造影剤を服用してからX線撮影を行います。これによって胃の形状、粘膜の状態を確認できます。

上部内視鏡検査(胃カメラ)

内視鏡スコープを鼻や口から挿入し、胃の粘膜を直接観察する検査です。特殊光による観察や拡大による観察も可能ですから、平坦な病変や微細な病変の発見につながります。高精細なモニターでリアルタイムに確認しながら検査を行い、がんや潰瘍、ポリープ、炎症などがないかを調べ、疑わしい部分があればその場で組織を採取することで確定診断が可能です。

治療

病期や検査結果などに合わせた標準治療に基づいて選択をします。内視鏡による治療、外科手術、薬物療法、放射線療法、対症療法、術後の補助的な化学療法など、お身体の状態や年齢、ライフスタイルやお考えなども含めて治療方法を検討していきます。
早期の場合には内視鏡によって胃がんの切除が可能であり、外科手術に比べて侵襲が少ないため負担が少なく、早い回復が見込めます。また早期であれば切除範囲が少ないため胃の大部分を残すことができ、食事などへの影響も抑えられます。

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