便秘外来

便秘外来について

「なぜ便秘で病院に通うの?」
「病院に行かなくても、市販の便秘薬が買えるし、飲めば便は出るのでいいのでは?」
と疑問に思われる方も多いと思います。

市販されている便秘薬やサプリメントの使いすぎで、便秘を治しているつもりが反対に便秘を悪化させてしまう方や、一部の方は便秘だと思っていたら実は大腸がん だった、などの重大な病気が隠れている方もおります。

でも本当に便秘は治療したほうがいいの?

便秘に関しては世界規模で研究されており、さまざまなデータがありますが、便秘の人では死亡率が高くなることが明らかになっています。
死亡しなくても、心筋梗塞や脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)になりやすく、発症するとその後の生活が大変困難になったり、寝たきりになったりする方もおります。

ドラッグストアで買える便秘薬はこわい!?

市販されている下剤の多くは刺激性下剤(無理やり大腸を動かして便を出す薬)のため、使いすぎると大腸が刺激に反応しづらくなってしまいます。また刺激性下剤を使い続けると、大腸が伸びきった状態になってしまうため、使う前に比べ 便秘が更に悪化した状態になります。定期的な使用ではなく、旅行などで環境が一時的に変わり 便秘になったときなどの限定した使用は腸に深刻なダメージは生じませんので、市販の下剤を使用して良いと思います。

しかし、子供のころから便秘がち、そういえば社会人になってから便秘、生理の前はいつも便秘、など一時的な便秘でない場合、刺激性下剤の使用はデメリットが多くなります。

*便秘を改善するお茶やサプリメントも刺激性下剤の成分が含まれることが多いです。一度購入を決める前に成分表を参考にしてください。(気付かないで長年飲用し、最終的に頑固な便秘になってしまい、改善が難しく手術を受けられる患者さまもおります)
刺激性下剤の成分: センナ、 センノシド、 ピコスルファートナトリウム、 ビサコジル、 アロエ、 大黄( ダイオウ ) 

*古くから使用されている ひまし油( ヒマシ油 )も使用量を間違えると、吐き気、嘔吐、疝痛を引き起こし、昏睡を起こすという報告もありますのでご注意ください。

オーダーメイドの便秘治療

  • 便が毎日出なくなったし、量が少ない…
  • 強くいきまないと便が出ない…
  • おなかが痛い…硬くて出ない…
  • 排便してもまだ残っている感じがする…
  • お尻のあたりがスッキリしない…

など、便秘の症状は多様です。

便秘外来は、このような便秘の症状に悩んでいる方のためにあります。
便秘と一言でいっても、症状は様々ですので、一人ひとりに合わせて、最適な治療を行います。薬の効き方もさまざまですので、内服薬の量も一人ひとりオーダーメイドで行います。
便秘でお悩みの方はぜひご相談ください。

※長年便秘の方は、腸がねじれていることが多くあります。そのような場合は生活習慣の改善だけでは便秘の解消が難しく、内服薬を用いた治療がメインとなります。

当院の便秘外来の強み

大学病院で便秘外来を行っている実績

便秘外来を実施している開業医の先生から、便秘治療しても改善しない難しい患者さまを大学病院の専門便秘外来に多くご紹介いただいておりました。他院の便秘薬で治らない便秘も得意としております。

保険診療で便秘治療を実施

都内の便秘専門クリニックなどは自費診療のことが多く、30分単位の面談料が指定されており、一回の診察料が10000~20000円を超えるところも少なくありません。そのようなところでは高額な便秘改善サプリメントなどの購入も必要で さらに費用がかかります。
当院は保険診療内で処方できる薬を使用し、なるべくお財布にやさしい便秘治療を実践しております。

消化器内科医(おなかの専門家)が行う便秘外来

便秘外来は専門医制度がないため医師であれば誰でも行うことができます。便秘外来を行っている医師の中には、一般内科、呼吸器内科、精神科、婦人科、皮膚科、整形外科など、おなかの働きに精通していない医師もいるので、経歴など良くみて頂き受診を検討下さい。消化器内科医のもとで研鑽を行い、良い便秘治療を行っている医師もおりますので直接尋ねていただくのも良いと思います。
当院の院長は、消化器病専門医、さらに内視鏡専門医ですので、専門的知識を持った上で、アドバイスや治療を行わせていただきます

(大学病院で実際診察した患者さまの中には、一般内科の先生が行う便秘外来に長年通われて改善しない と来院され大腸カメラを経過中に行ったところ大腸がん だったという患者さまも多くいらっしゃいました。大腸がん検査・大腸カメラが出来ることも消化器内科医の便秘外来を受診いただくメリットになります)

浸水法(大腸カメラ)を用いた腸形態の把握

便秘の患者さまの一部では、サプリメントや内服薬があまり効かない・内服すると下痢になったり、腹痛が起こってしまい苦労する方もおります。そのような方は、腸のねじれなどの問題があることが知られています。当院の医師は、浸水法という特殊な大腸内視鏡(大腸カメラ)挿入術を取得しております。浸水法を用いると、大腸カメラで腸の形が手に取るようにわかり、その結果をもとに便秘の改善を行うことができます。

腸内フローラ(腸内細菌)の検査も可能

自費診療になるので当院からはお勧めしておりませんが、腸内フローラを分析して便秘の治療効果を高める方法や治療前後の効果判定などのカウンセリングを行うことも可能です。
当院の腸内フローラ検査は25000円となります。他院に比べ10000円ほど高い値段設定なっておりますが、サプリメント販売などを行わないこと、フローラ検査結果のきめ細やかな説明をさせて頂くためのお値段です。ご了承ください。

オンラインで便秘治療(再診の方のみ)

今の時期、いくら風邪の患者さんがいない、完全予約制と言われても、コロナ感染の問題がこわくて…というかたのために自宅にいながら治療が受けられるよう、パソコンやスマートフォンでの診療を行っております。
※初診では内服薬の処方が出来ないため、再診の方のみとなります。

追記:厚生労働省のオンライン診療指針が変更になったため、オンライン診療可能な患者様は、当院に通院が可能な方に限ります。

便秘の原因とタイプ

便秘といっても、様々な原因(種類)があることをご存知でしょうか? なかには大腸がんなど命の危険性を伴う便秘など、原因によって治療法も違いますので、きちんとした診断を受け、その原因に応じた治療を開始することが非常に重要です。便秘は、大きく「一次性便秘」「二次性便秘」に分けられます。

一次性便秘

腸の機能が問題となっている機能性便秘です。いわゆる「便秘」です。日本人の20人に1人がこのような便秘といわれ、高齢になるほど便秘になる人が増えます。一次性便秘は下記の3つのタイプが代表的です。

直腸性便秘「出口でつまる」便秘のタイプです。
弛緩性便秘「大腸の動きが悪くなり停滞する」便秘のタイプです。
けいれん性便秘「自律神経が乱れて腸の動きが悪くなる」便秘のタイプです。

二次性便秘

体に病気があることで起きる便秘です。腫瘍や炎症による腸管狭窄(大腸がん・憩室炎・虚血性腸炎・炎症性腸疾患)などがあります。
特徴としては「今まで快便だったが、1年以内に便秘が悪化している」という症状を訴える方が多く、大腸がんなどによる便秘では命に関わることもあり注意が必要です。
その他、内分泌代謝疾患(糖尿病・甲状腺機能低下症など)、神経疾患(パーキンソン病など)、精神疾患(うつ病など)、膠原病疾患(全身性硬化症など)、内服薬(抗精神薬・抗パーキンソン病治療薬・医療用麻薬)などで便秘を起こすことがあります。

 

腸内フローラ(腸内細菌)と便秘

腸内フローラ( 腸内細菌 )のバランスの乱れが様々な病気の発症に関連していることが、近年明らかになってきております。大腸がん、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、肥満症、糖尿病、自閉症などが腸内フローラの乱れ(Dysbiosis)が関与しておりますが、便秘症も例外ではありません。
便秘マウスの便を、正常マウスに移植すると便秘になることなどがわかっており、便秘マウスの便は腸内フローラが乱れていることも指摘されています。
当院では、ご希望の方には腸内フローラを用いた便秘治療も実施しており、治療前と治療後の腸内細菌のバランスがどのように変化したか比較することも可能です。

※長年便秘の方は、腸がねじれていることが多くあります。そのような場合は食生活や腸内フローラの改善だけでは便秘の解消が難しく、内服薬を用いた治療がメインとなります。

便秘の治療

便秘の解消と再発の予防には、食事内容、運動、生活リズムの改善が不可欠です。継続することが重要ですから、無理なくできることからはじめましょう。
ただし便秘のタイプや症状、他の既往症などにより一般的な改善法では悪化してしまうこともあります。便秘が重大な病気の症状として現れている可能性もあります。
そのためにも消化器内科を受診して、ご自分にあった正しい改善方法の指導を受けましょう。

食事

バランスが重要です。なお食物繊維については、便秘のタイプによって積極的にとっていいものが変わってくることがあります。必ず消化器内科を受診して、指導を受けてから行うようにしてください。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、水分を保持し便にうるおいを与え、ゼリー状にして粘度を付与してくれます。
また小腸で消化吸収をおだやかにし、血糖値などの急激な上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を調整したりします。

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、腸の蠕動運動( ぜんどううんどう )を活発にし、便が大腸を通過する時間を短くしてくれます。
水分を含んで膨らみ、便の量を増やして出しやすくしてくれます。

乳酸菌 腸内細菌叢を正常に導きます。
ヨーグルト、ぬか漬け、味噌
十分な水分補給 食事中にとる水分は腸まで届きやすいとされています。
ビタミンE 血流を促進する役割を持っているため、腸の働きを活発にしてくれます。
アーモンド、たらこ、卵黄、植物性油脂(コーン油、サフラワー油、大豆油)
ビタミンB1 腸の働きをコントロールする自律神経を調整します。
玄米、小麦胚芽、ごま、豚肉、うなぎ

どのような食物繊維が有効か、詳しい説明はこちら

運動

軽い運動を毎日習慣付け、続けることが重要です。筋肉が強化されると血行が改善します。腹筋を鍛えることで腸の蠕動運動が促進され、刺激を受けて正常な働きに導いてくれます。お身体の状態や年齢などによって、適した運動は大きく変わってきますので、必ず医師の指導を受けてから行いましょう。

ウォーキング 正しい姿勢で少し早歩きというペースを保ちます。
腹筋運動 仰向けに寝る→膝を立てる→お腹に力を入れる→上半身を起こして最低10秒保持
これを1日数回繰り返します。起床時、就寝時に習慣付けるのがお勧めです。

生活リズムや生活習慣の改善

排便習慣の改善 便意があったらすぐにトイレに行く習慣はとくに重要です。また朝はできるだけ早く起きてゆっくり過ごし、朝食をしっかり食べ、便意がなくてもトイレに行く習慣を付けましょう。さらに朝日を少しでも浴びると、体内時計が整って自律神経のバランスが整います。規則正しい生活を心がけましょう。
ストレスの解消 腸の機能は自律神経がコントロールしているため、ストレスによる影響を受けやすいとされています。睡眠時間をしっかりとる、リラックスできる空間や時間を作る、趣味やスポーツなどでストレスを上手に解消するなどを心がけてください。
無理なダイエットをしない ダイエットで食事量が少なくなると便の量が減ってしまい、便秘リスクが上昇します。また食事を制限していると、ストレスで自律神経のバランスが乱れます。新陳代謝や血流の不足で腸の働きが乱れ、便秘を起こしやすくなってします。ダイエットをする場合には、消化器内科を受診して栄養学的にも安心できる具体的なメニューや食事量などの指導を受けると安心です。

薬物療法

食事療法、運動療法、生活習慣の改善で十分な効果が得られない場合には、薬物療法で腸の働きを正常に導くサポートを行います便の水分量をコントロールする薬剤( 酸化マグネシウムなど )、蠕動運動などの機能を整える薬剤、腹痛を和らげる薬剤など、便の状態や症状に合わせた処方を行っています。当院では漢方薬を組み合わせた治療も可能です。同じ薬剤でも効果の出方には個人差があり、ライフスタイルに合うものを選ぶことも快適に過ごすためには重要です。当院では患者様のお話を伺いながら処方を少しずつ変えていって最適な治療にできるだけ早くつながるようにしています。市販の下剤や浣腸で便秘を悪化させている場合でも、適した薬剤を用いることで改善に導きます。これまでとは全く異なる新しい薬剤も登場していますので、まずはご相談ください。

 

専門医による便秘外来

つくしの駅前内視鏡クリニックでは慢性、急性問わず、便秘症状の方の診察を専門的に実施しております。初めて便秘で医療機関の診察を受けたい方や色々な医療機関で診察を受けてきたがなかなか改善されない方など、便秘治療でお悩みの方はいつでもご相談ください。便秘の診察を丁寧に行うことはもちろんのこと、必要があれば大腸カメラ検査なども当院で一緒に行うことができます。当院の外来は24時間ネット予約が可能ですので、ご利用されたい方は下記よりご予約下さい。

TEL.042-850-7140 24時間WEB予約 WEB問診
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