食道異形成上皮(dysplasia)

食道異形成上皮(dysplasia)とは

食道異形成上皮は、食道の粘膜が形態異常を起しており、食道がんになる一歩手前の状態です。

軽度異形成、中等度異形成、高度異形成に分類されており、高度異形成は食道がん とほとんど見分けが付かないくらい悪性度が高いものとなります。

症状

異形成では、ほとんど症状が起こることはありませんが、食道がんになり徐々に進行すると、胸の違和感・痛み・物を飲み込むときのつかえる感じ・咳などの症状を来たすようになります。

原因

過度の飲酒が原因となります。特に飲酒により顔が赤くなる人は少量の飲酒でもリスクが高い(健常者の約8倍)といわれており、またそのような顔が赤くなる人が1日3合以上飲酒していると更にリスクが高い(約100倍!)といわれております。

なぜ食道がん の原因になるかというと、アルコールを解毒するときに生じるアセトアルデヒドが細胞に悪影響を及ぼします。繰り返し飲酒することで、細胞のダメージが蓄積し、異形成上皮となります。さらに病状が進むと食道がん になります。顔が赤くなる人は、アルコールを分解する能力が低く、アセトアルデヒドが蓄積しやすいため赤くならない人に比べてダメージを受けやすいためです。

喫煙(たばこ)の習慣があると、細胞のダメージがより一層悪化し、異形成や食道がん のリスクが高くなります。

また食道に異形成がある方は、食道がん はもちろんのこと、のどの‘がん’(咽頭がん・喉頭がん)や胃がん にもなりやすいことが知られております。

飲酒や喫煙のほかに、熱いものや辛いものの定期的な摂取(嗜好食)も食道粘膜にダメージを与えてしまうため原因となります。

検査

上部内視鏡検査(胃カメラ)

上部内視鏡検査(胃カメラ)で食道粘膜を直接観察することで分かります。粘膜にやや発赤した上皮を認めます。NBIモードで観察をすると茶色に見える領域として捉えられます。拡大内視鏡でさらに見ると、周りの正常な粘膜に比べ血管が太くなっており、異型細胞に沢山の影響を送っているのが観察されます。(一般的に‘がん’は増殖するために沢山の栄養が必要なことが知られており、周りの血管を太くして栄養を取り込もうとしているのを見たものです)
小学生のとき、サツマイモにヨードを垂らすと黒くなる実験はしたでしょうか? 黒くなっている部分はデンプンが豊富で栄養の蓄えがある状態です。しかし異型上皮の部分は、ヨードに染まらない領域(ヨード不染帯)として認められます。異型上皮内では、それだけ栄養を使用しており栄養の蓄えがないことを示しております。数や範囲が多くなるほど食道がん のリスクが高くなることが知られています。

治療

禁酒・禁煙が一番の治療になります。お酒・タバコをやめることで異型上皮が少なくなります。熱いものや辛いものを控えるなど嗜好品を少なくすることも効果的です。

また異型上皮から食道癌に進んでしまった場合には内視鏡手術や外科的手術で癌を切除する治療が行われます。

異型上皮のある方は、今後食道がん になるリスクが高いため、定期的な上部内視鏡検査を行うことをお勧めしております。

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